以前、ひどい風邪で苦しい咳が止まらなかった時、東条百合子さんの「自然療法」の本にある「蓮根湯」を試したら、すぐに咳が止まってびっくりしたことがあります。
それ以来、「自然療法」をすっかり頼りにして、自分や家族・友人に何か体の不調があれば、まずはこの本を開いて調べるようになりました。
そして、この本によく登場するのが、「里芋湿布」。
昔からあらゆる炎症や痛みに抜群の効果があると、重宝されてきた民間療法です。
これがまた、不思議とよく効くんです。
作り方や、私がどんな時に使っているか、体験談をご紹介しますね。
目次
里芋湿布(里芋パスター)とは
里芋の皮を厚くむいてすりおろし、同量の小麦粉と、芋の1割のおろし生姜をまぜて作ります。
布や和紙にのばして、患部にはって使います。
東城百合子先生の「自然療法」の本によると、
「はれもの一切・内臓の痛み・ねんざ・リウマチ・神経痛・ガン・痔・火傷・のどの痛みその他一切の熱のある炎症の万能薬」だそうです。
様々な症状に効果があるので、「家庭でできる自然療法」の中でも、よく登場する治療法です。
外側にはるもので、なぜこんなにも内側の症状が改善するのか、いつも不思議に思いますが・・。
なぜ効くのかは、調べてもよくわかりません。
里芋のねばり成分「ムチン」が、皮をむくと解毒作用のあるグルグロン酸という物質に変化するからとか、
里芋に含まれるカリウム成分などが、強力に毒素を吸い出してくれるからだとか・・。
理由はよくわかりませんが、自分が何度も里芋パスタに助けられた経験から、その不思議な効果を実感しています。
里芋パスターには、生の里芋をすりおろして作る方法と、里芋粉を水で練って作る方法の2種類があります。
生の里芋で作る方法
生の里芋で作る場合、一番のポイントは、「皮を分厚くむくこと」です!
里芋の皮に近い部分には、「シュウ酸カルシウム」という針状の結晶があり、それが肌に刺激を与えてかゆみを引き起こします。
私は、これを知らずに薄く皮をむいてしまい、とてもかゆくなってしまったことがあるので、注意してくださいね!
材料
材料は、里芋、小麦粉、生姜、水です。
できれば、無農薬や有機栽培のものの方が、パワーがあるのではと思います。
作り方
- 里芋の皮を分厚くむきます。
- ピーラーよりもナイフでむいた方が、しっかり分厚くむけます。
- 里芋をすりおろします。
- 生姜(里芋の1割くらいの量)をすりおろします。
- 里芋と同量の小麦粉を入れます。
- 里芋、生姜、小麦粉をよく混ぜ合わせます。
生の里芋で作るメリットとデメリット
【メリット】
- 生の芋で作る分、効果が強いと思う。
- たくさんの量を作るときは、生芋の方が安く作れる。
【デメリット】
- 里芋が欲しい時にすぐに手に入らないかもしれない
- 里芋をすりおろす作業が面倒
- 長期保存ができない
- かゆみがでやすい
市販の里芋粉を使って作る方法
もっと簡単に里芋パスタを作る方法があります。
市販の「里芋粉」というのがあって、それを水で練るだけです。
私は、こちらの里芋粉を使っています。
この商品には、里芋粉だけでなく、小麦粉と生姜もすでに入っているので、水を加えるだけで、里芋パスターが作れます。
水を入れすぎると、シャバシャバになるので、スプーンなどで少しずつ水を加えて、耳たぶくらいの固さに練ります。
もっと粘りが必要な時は、小麦粉を加えます。
里芋粉で作るメリットとデメリット
【メリット】
- 水を加えるだけなので、簡単に作れる
- 常備できるし、保存がきく
- かゆみがでにくい
【デメリット】
- 生芋よりは効果は落ちると思う
- たくさんの量を作ると、コストが高い
- 里芋粉を手にいれるのが面倒
私の使い分け
生芋と里芋粉、どちらもメリット、デメリットがあります。
私は普段は、ニキビなど小さい部分に使いたいときは里芋粉、体の大きな面に使いたいときは生芋で作っています。
後は、しっかり症状に効かせたいときは生芋で、緊急の時はすぐに使える里芋粉で・・など使い分けています。
里芋パスターの使い方
肌の弱い人は、里芋湿布でかぶれることがあるので、里芋湿布をする場所に、ごま油や椿油などを塗って、肌を保護しておきましょう。
私は、化粧落としなどに使っている、ひまし油を塗っています。
粘度が高いので、しっかり保護される気がします。
その上から、里芋パスターを塗ります。
小さなニキビなどは、綿棒などでチョンと塗ります。
喉、頭、お腹など、面積の広い部分は、手ぬぐいや、長さのあるタオルを使います。
自然療法の本には、「布または和紙に厚さ1センチくらいに伸ばしてはる」と書いてあります。
ただ、布の上に直接、里芋パスターをのせてしまうと、後で洗うのはとても大変です。
なので、邪道かもしれませんが、私はキッチンペーパーやティッシュ数枚を布にのせて、その上に里芋パスターをのせます。
↑こんな感じ。髪を乾かす用の長めのタオルと、キッチンペーパーを2枚重ねています。
里芋パスタをあまり分厚く置くと、重さで垂れてくるので、厚さ1センチくらいを守ってのせるのが、おすすめです。
あとは、里芋パスタをのせた部分が患部に当たるようにして、タオルをしばっておきます。
4~5時間くらいしたら、乾ききらないうちにとります。
皮膚をふきます。
症状がひどい場合は、これを一日に2ー3回繰り返します。
私の使い方
私の経験では、次のようなときに、里芋パスタが活躍しました。
(※これはあくまで、私個人の経験談であり、病気の治療をすすめるものではありません。)
喉が痛い時
風邪をひいて、喉が痛い時。
手ぬぐいに里芋パスターをのせて、喉に巻いておくと、痛いのが早く治ります。
深くて固いニキビ
時々、顎のあたりにできる、固いニキビに。
皮膚の深いところにできているので、芯が簡単には出てこないし、潰したら後が残るし、どうしたら良いか悩むニキビ。
里芋パスタをチョコンとつけて、乾いてしばらくしたら、洗い流すのを繰り返します。
一発で消える訳ではないけど、何度化繰り返すうちに、確実に少しずつ小さくなります。
この方法で治れば、跡が残らないので、潰すよりもずっと良いです。
頭痛
頭痛にも効いて、助けられたことがあります。
偏頭痛もちではないのですが、ある日、左眉毛の奥がズキンズキンと痛み始めました。
おそらく、パソコンのやりすぎと、眼鏡の度が合わなくなっていたのが原因でした。
横になったら治るかと、眠ろうとしましたが、痛くて眠れず。吐き気までしてくる事態に。
どうなるのかと不安がつのってきたとき、里芋パスタのことを思い出しました。
冷蔵庫にひとつ残っていた里芋をすりおろして、パスタを作り、手ぬぐいでおでこに巻いたところ、あら不思議。
急な癒しが起こったかのように、眠気が来て、スーッと眠りに落ちました。
起きたら、頭痛も吐き気もほとんど治まっていました。
そして、夜眠る時に、もう一度、里芋パスタを巻いて寝たら、次の日には完全に回復していました。
これが、里芋パスタの不思議な効き目を一番実感した体験でした。
ただの気休めの民間療法だと思っていた里芋パスタ。
実際にやってみて、その不思議な効果に驚いています。
不調の時、病院に駆け込む前に、自分で手当てができる手段があるのは、とても心強いものです。
今回は以上です。