ベジブロスとは、野菜を煮込んでとる”出汁(だし)”のこと。
「内田悟のやさい塾」の本に載っていて、ベジブロスという言葉は知っていました。
本格的なベジブロスの作り方が載っています。
だけど、わざわざ、野菜を煮込んで出汁だけ取り出して、それでまた料理を作るなんて・・・。
家庭料理には手間がかかりすぎだし、出汁のためだけに使うなんて野菜がもったいない。
それなら、野菜スープにしてしまったほうがいいんではないの?と正直思っていました。
ところが、最近、本来なら捨ててしまう、野菜の皮やヘタ、葉っぱ、種などを使って、ベジブロスを作る方法がちょっと流行っているみたい。
なるほど、そういう、「残さずに使い切る」という考え方はとても好きです。
早速、挑戦してみました。
目次
ベジブロスでフィトケミカルが効果的に摂取できる

フィトケミカルとは
野菜の皮には、ビタミン・ミネラルなど栄養素だけではなく、「フィトケミカル」が豊富に含まれています。
フィトケミカルは、野菜や果物に含まれる色、香り、辛味・苦味などの化学成分です。
動けない植物が、紫外線や害虫などから身を守るために持っている成分なので、外側の皮の部分に多く含まれています。
フィトケミカルには、強い抗酸化作用で体内の活性酸素を抑えたり、免疫力細胞を増やしたり活性化する効果ががあります。
スープで摂るのが効果的

フィトケミカルは植物の細胞と細胞膜の中に安定的に存在する物質なので、細胞膜を壊してから摂取しないと、体内で効果的に吸収されません。
ミキサーで粉砕したくらいでは、細胞はうまく壊れないそうです。
しかし、熱を加えると、フィトケミカルは自然と細胞外へ溶け出し、一定時間煮出すと、その8〜9割がスープに溶け出すそうです。
フィトケミカルのほとんどは熱に強く、加熱によって壊れません。
つまり、フィトケミカルが多く含まれる野菜の皮の部分を煮込んだ出汁を飲むことは、フィトケミカルを効果的に摂取できる方法だということですね。
フィトケミカルだけに関して言えば、生野菜ジュースよりも効果的と言えます。
無農薬の野菜を使う方が良い
野菜の皮や葉など、外側の部分を使うので、やはり農薬は気になります。
できるだけ、無農薬栽培の野菜を使いたいものです。
そもそも、野菜くずのベジブロスが流行っているのも、値段の高い無農薬野菜を、捨てる部分なく使い切りたいという理由からだと思います。
無農薬で無い場合は、重曹で洗うなど、農薬をできるだけ落として、ベジブロスにした方が、体のためには良いですね。
少しずつ野菜くずをストックする

とはいえ、無農薬野菜だと皮はむかずに食べてしまいますし、それ以外のヘタや軸など捨てる部分は、それほど毎日たくさん出る訳でもありません。
なので、私は、冷凍庫に保存用の袋を入れて、そこに、毎日少しずつ出る、今までなら捨てていた野菜くずをストックしていきました。
半月くらいで袋がいっぱいになりました。
こうして、冷凍庫に野菜くずが溜まったらベジブロスを作る、というスタイルが、私には合っている気がします。
こんな野菜を使ってみました。
さて、今回ストックした野菜クズには、こんなものが入っていました。
- 人参のヘタ
- 大根のヘタ
- 玉ねぎの皮
- キャベツの芯
- 椎茸の軸、きのこの石づき
- ネギの緑の部分
- その他食べきれなかった野菜など
注目は、玉ねぎの皮。ベジブロスにしなければ、確実に捨てるしかない部分です。
玉ねぎの皮には、ケルセチンというポリフェノールが豊富に含まれていて、動脈硬化を防ぐなど、様々な健康効果があるようです。
そして、ベジブロスからは外れてしまいますが、今回は、骨付き鶏を食べた後に残る骨も入れてみました。鶏肉の骨からは、とても美味しいダシがとれるので、これも捨てるのはもったいない!
ベジブロスの作り方
材料
- 野菜クズ・・両手一杯分
- 水・・1300ml
- 酒・・小さじ1
(参考「ベジブロスのレシピ帖」タカコ・ナカムラ ホールフードスクール著より)
本に載っていた分量を載せましたが、ベジブロスは、適当でも美味しく作れます。野菜くずをお鍋に適量入れて、お水をひたひたに入れて、お酒を少し加えて、火にかければOK。
作り方

- 材料をすべて鍋に入れて、弱火にかけます。
- 沸騰したら、弱火でコトコト20〜30分煮ます。
- ざるでこせば、完成。
火にかけてしばらくすると、とても食欲をそそる良い香りが漂ってくるのに驚きます。こんなきれいな色のスープがとれました。今回は野菜くずの分量が多かったので、二番だしもとってみました。二番だしは、色も薄くなって、雑味も出ますが、十分美味しく飲める味でした。

【一番だし】

【二番だし】
ベジブロスの保存方法
出来上がったベジブロスは、3日以内に使う分は冷蔵庫へ。
すぐに使わない場合は、冷凍庫に入れれば、長期間保存できます。
製氷皿に入れれば、小出しに使えて便利です。
ベジブロスを使った料理
ベジブロスは、塩などで味付けして、それだけで飲んでも美味しいですが、他にも様々な使い方があります。
スープ

具材を入れて、お味噌汁やスープの出汁として使う。
ベジブロスの旨みがあるので、具材が少なくても、シンプルな味付けで美味しいスープができます。
スムージー

スムージーを作る時に、お水の代わりにベジブロスを入れれば、フィトケミカルがたっぷり摂れるスムージーが作れます。
様々な料理のダシとして

その他、カレー、パスタ、シチュー、卵料理など、様々な料理のベースとして、使うことができます。
参考本の紹介
ベジブロスの効果、おすすめの材料、作り方などの基本から、ベジブロスを使ったレシピがたくさん紹介されています。
読むと、ベジブロスを作ってみたくなりますよ。
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- 普通、捨ててしまう野菜の切れ端を使った、ベジブロス。
少しの手間だけで、お金もかからずに、健康に嬉しい効果がありそうです。
日々の習慣として取り入れていきたいとおもいます(^^)